金融業界で40年以上の経験を持つ経済学者兼金融サービス研究者アラスデア・マクラウド(Alasdair Macleod)氏が金融・経済系ポッドキャスト番組「WTFinance」で 現在のグローバルな〝資産バブル〟について意見を述べました。
(動画再生回数は、1日で約3万回)

YouTube動画「1929 Repeat As Credit Bubble Collapses with Alasdair Macleod」の分析です。(写真は、動画のスクリーンショット)

(上のアイコンにリンク先動画)

主な論点

1929年の「世界恐慌」との類似性:

Macleod氏は、現在の経済状況と1929年の大恐慌前夜との間に「恐ろしいほどの類似性 (horrible similarity)」があると強く主張しています。 これは単に歴史的な事件を並べるだけでなく、信用バブルの崩壊という根本的なメカニズムが共通している点に重きを置いています。

信用バブルの頂点:

Macleod氏は、今日の世界経済が「信用バブル (credit bubble)」の頂点にあると見ています。 彼は信用バブルを理解するためには「負債 (debt)」に注目すべきだとし、現在の状況が間違いなく「負債バブル (debt bubble)」であることを強調しています。 信用(誰かが貸し出すお金)と債務(誰かが借りるお金)は表裏一体であり、この両者が歴史的な水準に膨れ上がっていることが、1929年直前の状況と酷似しているというのが彼の主張の根幹です。

債券利回りの上昇とその影響:

彼が最も懸念しているのは、もし債券利回りが上昇し始めた場合の影響です。 利回りが上がると、借り手が負う利払いコストが増大し、多くの債務が「非常に悪い状態 (very, very bad)」になると予測しています。 これは、企業や政府、個人の財政状況を急速に悪化させることを意味します。

金融資産への波及:

債務の悪化は、「現物株式 (equities)」 などの「金融資産 (financial assets)」の価値にも悪影響を及ぼすと述べています。 債務に苦しむ企業は収益性が低下し、株式市場の信頼も失われます。

金利上昇と債券価値の下落:

人々がすでに保有している債券自体の価値も、利回りの上昇に伴って下落します。 これにより、投資家は大きな損失を被り、金融システム全体の安定性が脅かされる可能性があります。

「もう一つの1929年のそっくりさん」:

これらの要素が複合的に作用することで、全体的な状況がさらに悪化し、「もう一つの1929年のそっくりさん (another 1929 look alike)」が出現するとMacleod氏は警告しています。

Macleod氏のアドバイス

Macleod氏は自身を「健全な通貨 (sound money)」、「経済学 (economics)」、「地政学 (geopolitics)」、そして「金と銀 (gold and silver)」に関する教育者と位置付けています。

金融教育の必要性:

彼は、人々が現在直面している経済的リスクについて教育することに時間を費やしていると述べています。 特に、信用と負債の表裏一体性、現在の経済状況、そして潜在的な解決策(what solutions may be there)について理解を深めることの重要性を強調しています。

資産保護へのシフト:

彼は「もはや資産を貯め込もうとしている場合ではない (we're no longer in the business of trying to, you know, sort of accumulate assets)」と明確に述べています。 その代わりに、「持っている資産を守り、その価値の保存方法を非常に慎重に考える (protect what you've got and think very carefully how you do it)」 ことがはるかに重要であると主張しています。

これは、現在の環境下では、リスクを取って大きなリターンを追求するよりも、既存の富を維持・保全することに焦点を当てるべきだというアドバイスです。 Macleod氏のメッセージは、過去の教訓から学び、来るべき信用収縮に備えて個人の資産防衛策を真剣に考えるよう促すものです。 彼は、現在の金融システムが持続不可能であり、それが大恐慌のような事態を再燃させる可能性があると警告しています。

本紙見解:

「信用(誰かが貸し出すお金)」と「債務(誰かが借りるお金)」の関係は、日本で言えば日銀と日本政府(財務省)の関係に当てはまります。 日銀は「通貨発行権」を持っていますから、日本政府発行の国債の60%以上を買い上げ、国内はおろか世界中に常軌を逸した通貨供給を続け、世界の資産バブルの原因をつくっています。 これは「財政ファイナンス」「ポンジ・スキーム(ねずみ講)」であり、持続不可能と考えます。