金融・経済系ポッドキャスト番組「Behind Asia」で〝円キャリー取引〟が巻き戻された時の予想されるシナリオについて解説がありました。
YouTube動画「How the Japanese Yen "Carry Trade" Fuels Global Bubbles」の分析です。(写真は、生成AIによるイメージ)
(上のアイコンにリンク先動画)
主な論点と主張
「円キャリー取引」とは何か:
円キャリー取引(Yen carry trade)とは、日本の低金利を利用して円を借り入れ、その資金をより高金利な国の通貨やリスク資産に投資することで利益を得る、長年にわたる投資戦略です 。
これは「金融のダークマター・financial dark matter」(dark matter:暗黒物質:天文学上の未解決問題)と例えられ、 目に見えないが非常に強力な力として、世界の経済に大きな影響を与えてきました 。 日本が低金利政策を長年維持してきたことが、世界中の投機家にとって、低コストで資金を借り入れる源泉となり、グローバルな資産バブルを形成する燃料となってきました 。
「円キャリー取引」が世界の資産バブルを煽った:
この取引は、オーストラリアでの不動産ブームを煽り 、ニューヨークからイスタンブールまで株と債券のバブルを助長してきました 。 低金利で調達された円資金が、世界中の高リスク資産に流れ込むことで、資産価格を押し上げ、バブルを膨らませるメカニズムとなっています 。
「円キャリー取引」巻き戻しのリスク:
もしこの「砂上の楼閣(house of cards)」が崩壊した場合、世界経済に大きな影響を与える恐れがあります 。 2024年8月初旬には、日銀が政策金利の引き上げを決定した後、円が対米ドルで10%以上急騰し、東京からニューヨークにかけて株価が暴落(令和のブラックマンデー)。 何十億ドルもの安全と見られていた投資が数時間で溶解したという現実のシナリオが示されています 。 これは円キャリー取引解消の一例として描かれています。
日本の市中金利が急騰した場合、「キャリートレーダーにとっては悪夢のシナリオ」であり、リスク資産の価値が下落するだけでなく、借り入れた円ローンの利息が同時に急上昇するという 「二重の打撃」を受けます 。 このような解消は自己増強的で痛みを伴うものであり 、東ヨーロッパや東アジアでの紛争拡大のような地政学的な不安定さが、経済とは無関係であっても、このような連鎖反応を引き起こす可能性があります 。
これは〝アベノミクス〟以来、低金利によってコイル状に圧縮されてきた「巨大なバネ」に例えられ、それが解放された時にどれほどのエネルギーが放出されるかは想像を絶するとされています 。