投資家のアンディ・シェクトマン(Andy Schectman)氏が金融・経済系ポッドキャスト番組「Miles Franklin Media」で今後の米国の「通貨制度」について意見を述べました。
インタビューは、2時間近くにおよびました。(動画再生回数は、1日で8万回以上)

YouTube動画「Kill the Dollar, Save the System? The Secret U.S. Gold Reset Plan」の分析です。(写真は、動画のスクリーンショット)

(上のアイコンにリンク先動画)


主な論点

「Miles Franklin Media」チャンネルの番組「The Real Story」のインタビューで、 シェクトマン氏は、米ドルの支配が内外からの挑戦に直面していると主張し、それに対抗するための「秘密のgoldリセット計画」が存在するという説を展開しました。

米国の財政的脆弱性:


米国の国家債務は37兆ドル(約5400兆円)を超え、GDPの120%以上に達しています 。
利払いだけで年間1兆ドル(約150兆円)を超えると予測されており、これは国防総省の年間予算全体を上回る金額です 。
この財政的な無責任さが、米ドルへの信頼を揺るがす根本的な要因となっています 。

BRICsによる脱ドル化の動き:


ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなどが主導するBRICs諸国は、米ドルへの依存から脱却しようとしています 。
彼らは自国通貨での貿易を拡大し、ドルを介さない独自の国際決済システム(mBridgeなど)の構築を進めています 。

中国主導の代替決済システム:


中国は、人民元の国際化を目指し、goldと連動した決済システムの構築を主導しています 。
このシステムは、mBridgeと呼ばれる決済プラットフォームを利用し、取引の決済不均衡をgoldで清算できるようにするものです 。
信頼性を担保するため、上海黄金交易所が運営する金庫(vault)がすでに香港に設置済みで、これからサウジアラビアなど世界各地に建設する計画です 。

中央銀行によるgoldの購入:


世界中の中央銀行が記録的なレベルでgoldを購入し、戦略的に備蓄しています 。
これは、米ドルや米国債への信頼が低下し、歴史の中で普遍的な価値を維持してきたgoldへの回帰を示唆しています 。

「The Secret U.S. Gold Reset Plan(秘密の米国goldリセット計画)」とは?


シェクトマン氏が暴露する「秘密の米国goldリセット計画」は、米国がBRICs諸国の動きに対抗し、自国の債務危機を解決するために、水面下で進めているとされる大胆な金融リセット計画です。
その目的は「ドルを殺して、システムを救う(Kill the Dollar, Save the System)」という言葉に集約されます 。


計画の核心的な要素

秘密裏の金(gold)蓄積:


米国は2022年11月以降、金の純輸入国に転じており、記録的な量のgoldが米国内(主にCOMEX)に流入しています 。 シェクトマン氏は、これは単なる市場の動きではなく、米国政府が国家安全保障を名目に、財務省の外国為替安定化基金(Exchange Stabilization Fund、ESF)などを通じて秘密裏にgoldを購入・本国に送還していると主張しています 。

goldの再評価:


現在、米国財務省が保有し、FRBが管理しているとされる8100トンのgoldの公式な帳簿価額は1オンス約42ドルという1973年以来変わらない非常に低い価格で計上されています 。
計画では、この帳簿価額を市場価格(2025年7月現在:1オンス3300ドル台)、あるいはそれ以上の価格(例:1オンス2万4000ドル)に再評価します 。
これにより、米財務省は巨額の資金を得ることができ、債務の圧縮が可能になります 。
ドナルド・トランプ・ジュニア氏(47)も、父親の政権が米財務省保有のgoldを再評価する権限を持つ「金準備法」を検討していると発言しています 。
註:市場価格に再評価する場合、買い戻し前提で市場に出す「現物先物取引」の手法が考えられるが、2万4000ドルに再評価する方法は不明)

goldで償還可能な国債の発行:


第1期トランプ政権で大統領経済顧問だったジュディ・シェルトン(Judy Shelton)経済学博士のアイデアとして、満期時にgoldで償還できる「財務信託債券(Treasury Trust bonds)」(50年国債)を発行するという提案を紹介しています 。
シェルトン氏は、トランプ大統領が2026年7月4日(独立宣言250周年)に、この計画を実行する意向だと語ったと述べています 。
これにより、投資家は米ドルの価値がインフレで下落しても、最終的に価値のあるgoldで資産を回収できるため、米国債への信頼と需要が回復します 。


「秘密計画」の最終目的:


この計画の最終的な狙いは、米ドルの価値を意図的に下落させること(インフレを容認し、実質的な負債を軽減する)で、米国債市場という金融システムの根幹を守ることにあります 。
金利を高く設定することなく国債への需要を創出し、低金利を維持することで、製造業の国内回帰(リショアリング)を促し、経済を成長軌道に戻すことを目指します 。
シェクトマン氏は、これは国債のデフォルト(債務不履行)やハイパーインフレを避けるための、唯一残された型破りな(something unconventional)選択肢かもしれないと結論付けています 。