CNNニュースがマクロ経済学者で元財務長官のLarry Summers(ラリー・サマーズ)氏(写真:Ralph Alswang Photography )にインタビューしました。
主な論点と主張は以下の通りです。
(元動画は上のアイコン)主な論点と主張
このインタビューでは、主にトランプ政権の経済政策、特に社会保障費の削減と関税が米国経済に与える影響について、ラリー・サマーズ氏の批判的な見解が述べられています。社会保障費削減への強い批判
サマーズ氏は、トランプ氏の「大きく美しい法案」(Big Beautiful Bill)に含まれる社会サービスへの削減が「国を恥ずかしくさせた」と述べ、ニューヨーク・タイムズの最近の論説の見出しを引用して、その「残酷さ」を指摘しています。 この削減は、アメリカの社会保障制度において、ベースラインと比較して「これまでで最大の削減」であると強調しています。ビル・クリントン政権下の福祉改革法案やロナルド・レーガン政権初期の状況と比べても、その規模ははるかに大きいと主張しています。関税政策への懸念
社会保障費の削減に加えて、関税がトランプ政権のもう一つの経済政策であり、平均的なアメリカ人に負担をかける可能性があると述べています。 関税が「非常に実質的」であり、過去1世紀でスムート・ホーリー法(Smoot-Hawley Tariff Act・1930年に米国で成立した関税法で、世界恐慌を背景に国内産業保護を目的に高関税を課した法律。 各国からの報復関税を招き、世界貿易を停滞させ、世界恐慌を深刻化させた)よりも「はるかに高い」水準であると指摘しています。ポピュリズム経済政策の短期的・長期的影響
大多数の人々の「短期的な本能」に従うポピュリスト的な経済政策(雇用を守るための関税、支出を賄うための借金、長期的な支出の削減)は、短期的には「かなり良く見える」ものの、 中長期的には「かなりひどい結果」をもたらすという経済学者の見解に同意しています。 サマーズ氏は、ラテンアメリカやヨーロッパ諸国で過去に試みられた例を挙げ、「種籾(たねもみ)を食べてしまえば、しばらくは豊かに暮らせるかもしれないが、その後には問題が待っている」と比喩を用いてその危険性を警告しています。現在の経済状況と政策評価
現時点では、関税や赤字拡大といった政策が経済や株式市場に大きな影響を与えていないように見えるという問いに対し、サマーズ氏は「これまでのところ、多くの予想よりも事態は深刻ではない」としています。 しかし、それで「すべてが順調であり、これらの政策が成功をもたらす」という感覚を持つべきではないと強く主張しています。
サマーズ氏はトランプ政権の経済政策、特に社会保障費の大幅な削減と高関税が、短期的には目立たなくても、長期的には米国経済に深刻な問題を引き起こす構造的なリスクをはらんでいると警鐘を鳴らしています。