金融庁は、金融審議会「地域金融力の強化に関するWG」が9月5日以来検討してきた『地域金融力強化プラン』答申を12月19日に公表しました。
本プランは、人口減少や少子高齢化、さらには物価高や関税政策の変化といった厳しい環境下で、地域金融機関が単なる資金供給を超え、地域経済の持続的な発展を支える「地域金融力」を強化するための具体的施策を取りまとめたものです。

「地域金融力強化プラン」の要点 📝

1. 地域企業の価値向上と成長支援

地域金融機関には、顧客企業のステージに応じた「一歩先」の支援が求められています。
  • 中堅・成長企業の支援:
  • 飛躍的な成長を目指す中小企業や中堅企業に対し、国内外のプレイヤーと連携した戦略支援や、エクイティ(資本性資金)を含む多様なファイナンス手法の提供を促します。
  • M&A・事業承継:
  • 後継者不在問題に対し、マッチングプラットフォームの活用や人材紹介業務の強化を通じて、地域の雇用と事業の維持を図ります。
  • 事業再生・経営改善:
  • 物価高や人手不足に苦しむ事業者に対し、メインバンク機能を強化し、早期の予兆管理と主体的な伴走支援を推進します。
  • 新制度の活用:
  • 不動産担保に依存しない「企業価値担保権」の導入(2026年5月施行)や、スタートアップ向けの「ベンチャーデット」の供給を後押しします。

2. DXとデータの利活用

地域企業の生産性向上にはデジタル化が不可欠であるとし、金融機関の役割を拡大します。
  • コンサル業務の明確化:
  • 金融機関の業務として「ITコンサル支援」や「経理業務の受託」を監督指針に明記し、企業のDXを直接支援できる環境を整えます。
  • データ連携:
  • 企業と金融機関の間でのデータ連携を高度化し、決済形態の多様化やデータ利活用の高度化を図ります。

3. 地域課題の解決と社会貢献

経済的利益と社会的インパクトの両立を目指す施策を打ち出しています。
  • ローカル・ゼブラ企業への投資:
  • 地域課題を解決する「ゼブラ企業」に対し、インパクト投資のノウハウ共有や担い手の育成を進めます。
  • 官民連携のまちづくり:
  • 公有不動産や遊休資産の活用プロジェクトに地域金融機関が中核として参画することを促します。
  • 過疎地のサービス維持:
  • 人口減少地域においても、共同店舗や共同ATMの設置を通じて、預金の預入れ・引出し等の基本的サービスを維持します。

4. 金融力発揮のための環境整備(基盤強化)

金融機関が自らの持続可能性を確保するための施策も含まれています。
  • 共同化による効率化:
  • 金融機関共通の課題に対し、システムの共同化などを通じて業務効率化と負担軽減を推進します。
  • 公的支援の拡充:
  • 金融機能強化法に基づく資本参加制度や資金交付制度の期限延長・拡充を行い、不測の事態への備えを強化します。
  • 生成AIの導入:
  • 金融機関内部の業務効率化に加え、顧客向けサービスへの健全な利活用を実証実験などを通じて後押しします。

結論

本プランは、地域金融機関に対し「事業性評価に基づき、非金融面(コンサルティングや人材紹介、DX支援)も含めて顧客企業に深く関与すること」を強く期待しています。同時に、金融庁としても監督指針の改正や法的枠組みの整備を通じて、金融機関がリスクを取って地域課題に挑戦できる土壌を構築しようとする姿勢が鮮明になっています。

補足:

詳細は、金融庁HPで確認してください。 金融庁:当該サイト