江戸川区は、2050年までの温室効果ガス排出量「カーボン・マイナス」実現という野心的な目標に向け、地域に根差した企業4社と共同で地域エネルギー会社の設立に乗り出した。
同区は12月8日(月曜日)、株式会社EDF(代表取締役会長:肥沼直樹氏/東小岩1丁目)ら4社と共同出資による地域エネルギー会社設立のための発起人会を区役所で開催し、合弁契約を取り交わした。これにより、官民一体となって地産地消エネルギーの創出を通じた地域脱炭素の実現に大きく踏み出すことになる。

「カーボン・マイナス」実現に向けた新たな一手

江戸川区は、2023年に都内で初めてとなる「カーボン・マイナス都市宣言」を表明。温室効果ガス吸収量が排出量を上回るという、積極的な目標を掲げている。これまで、個人宅への太陽光発電システムや蓄電池設備の導入補助、区内中小企業向けの「脱炭素経営プラットフォーム」構築など、区民と事業者双方への支援策を展開してきた。
今回の地域エネルギー会社設立は、従来の支援策から一歩進め、区自らが事業主体の一員となりエネルギー供給体制の構築を主導するという、次の段階への移行を意味する。

初期費用ゼロ「PPAモデル」が事業の核に

共同出資で設立される「江戸川電力株式会社」の中核事業は、PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)モデルの展開。これは、地域エネルギー会社が区内の既存住宅に対し、太陽光発電システムを無料で設置し、発電された電力を住民に販売する仕組み。住民は初期費用なしで再生可能エネルギー設備を導入できるため、区内の再エネ利用促進が加速することが期待される。
共同出資パートナーには、公募型プロポーザル方式によって、株式会社EDF、株式会社内山アドバンス、東亜物流株式会社、そして地域金融機関である小松川信用金庫の4社が選定された。 発起人会には斉藤猛区長をはじめ、株式会社EDFの肥沼直樹代表取締役会長、株式会社内山アドバンスの柳内光子(やないみつこ)代表取締役社長、東亜物流株式会社の森本勝也(もりもとかつや)代表取締役社長、小松川信用金庫の小杉義明理事長らが出席し、合意書が締結された。12月15日に新会社を正式に設立し、PPAモデルの本格導入を通じて、地域課題の解決と脱炭素社会の実現を目指す。

設立会社概要

  • 商号:「江戸川電力株式会社」
  • 所在地:東京都江戸川区西葛西7-20-10
  • 資本金:5000万円
  • 出資者:江戸川区、株式会社EDF、株式会社内山アドバンス、東亜物流株式会社、小松川信用金庫
  • 事業内容:主に住宅を対象としたPPA(第三者保有モデル)による太陽光発電設備等の導入事業
  • 設立:2025年12月15日(予定)
  • 備考:
    • 2030年までにPPA導入855件、2031年度の売上額7000万円の達成を目標とする。
    • 2026年3月頃に事務所開きを予定。今年度内にモニターを募集し、2026年夏以降に一般向け50件の募集開始を見込んでいる。

【小杉義明・小松川信金理事長の挨拶】

当金庫は、江戸川区で唯一、本店がある金融機関として、江戸川区の皆様と手をとりあって、地域の発展のために努力しなければいけない立場にあります。
私どもは株式会社ではありませんので、その設立の趣旨からしても、地元の皆様と今お話した通り、手と手をとりあって生き延びなければいけないと思っています。今回の話に関しましては、信金業界においても、区長がお話しになった「カーボン・マイナス」については大変興味を持ち、なおかつ一緒になって努力していくということを業界として考えています。
皆様のご協力を得て、いろいろな災害も含めて、この事業が永続すること、そして発展することを祈っています。

小杉理事長小杉理事長