金融庁は、フィンテックを活用したイノベーションを加速させるため、「FinTech実証実験ハブ」内に、決済分野に特化した「決済高度化プロジェクト」(PIP: Payment Innovation Project)を11月7日に立ち上げました。
ブロックチェーン技術を活用したクロスボーダー送金の効率化やセキュリティトークン(ST)決済など、技術の進展が速い決済分野において、企業が抱きがちな関連法令の解釈や実務上の懸念を解消し、実証実験へのチャレンジを後押しすることが目的です。

PIP初の支援案件はメガバンク6社連合

PIP発足と同日の11月7日、同プロジェクトとして初の支援案件が決定しました。
支援対象となる実証実験の申込者は、株式会社みずほ銀行株式会社三菱UFJ銀行株式会社三井住友銀行の3大メガバンクをはじめ、三菱商事株式会社三菱UFJ信託銀行株式会社、そしてブロックチェーン技術に特化したProgmat, Inc.の計6社です。
この実証実験のテーマは、複数の銀行グループが共同で、いわゆるステーブルコイン(電子決済手段)を発行する場合を想定し、サービス設計に応じた規制対応や実務対応を適法かつ適切に遂行できるかを検証することです。
実証実験は令和7年11月から当面の間を想定しています。

支援体制と今後の公表

金融庁は、ブロックチェーン技術や関連法令に深い知見を持った担当者をPIPの支援チームに重点的に配置し、個々の実証実験をサポートします。
今回の支援決定は、「革新性」「社会的意義」「利用者保護」などのチェック項目に照らして検討された結果であり、実験終了後には、実験を通じて整理されたコンプライアンスや監督対応上の論点、法令解釈に係る実務上の論点などを含む実験結果・結論が金融庁ウェブサイトで公表される予定です。
これにより、今後の決済サービス実現に向けた監督対応上の論点整理が進むことが期待されます。ただし、PIPによる支援は既存法令の適用を免除するものではない点には留意が必要です。金融庁は今後も、支援案件が決定した際には随時公表していく方針です。