~危機発生時にも切れ目ない金融サービスを提供、早期の事業者支援・災害復旧に貢献~
亀有信用金庫(理事長・矢澤孝太郎氏)、東榮信用金庫(理事長・田村光彦氏)、日本政策金融公庫(略称:日本公庫)(支店長・奥平英裕氏)は、10月7日付けで、「危機事象発生における業務連携に関する覚書」を締結した。
日頃からの、地域の事業者に向けた危機発生時のリスクや対策の情報提供など、危機発生に備える機運の醸成に資する活動も含め、相互の連携を円滑にすべく、亀有信金、東榮信金、日本公庫千住支店は業務連携を進めていく。
10月7日、亀有信金本部で調印式が行われた。
業務連携の背景・目的
近年頻発・激甚化している自然災害や、感染症の発生等、様々な危機の発生に備え、事前に業務連携の方針を定めておくことで、危機発生時においても、地域の事業者に対し切れ目ない金融サービスの提供を可能にし、早期の事業者支援・災害復旧に貢献できるよう体制を備するもの。
亀有信金、東榮信金の主な営業区域である葛飾区は、荒川、中川、江戸川といった大きな河川に囲まれている。地盤沈下が進み区の半分近くが海面より低いゼロメートル地帯となっており、区の周辺で洪水が起きると、店舗の被災等により通常業務が継続できない事態も想定される。
そこで、事業者支援だけでなく、店舗が近い日本公庫の千住支店での一時的な施設の相互利用も連携内容に加え業務継続体制の向上を図ることで、危機発生後の迅速な金融支援機能の発揮に繋げていく。
業務連携の内容 📜
日頃から危機事象の発生に備えた連携をするとともに、危機事象が発生した際は、資金繰り支援をはじめとする以下の事項を連携して行う。
- 各々の金融支援機能を発揮した事業者への迅速な資金繰り支援
- コンサルティング機能の発揮及び必要な情報提供、並びに双方向の事業者等の紹介
- 地域経済の復興・発展に向けた融資相談会の実施
- 職員の緊急避難先として、相互の建物への避難
- 被災した際の一時的な執務場所として、会議室などの施設の相互利用
- その他危機事象発生時に必要となる連携

本部エントランスの「止水板」の説明をする矢澤理事長
3代表者の挨拶
亀有信用金庫・矢澤理事長
私どもの本店が所在しますこの葛飾区、そしてこの周辺の地域というのは、かつては非常に水害の多い地域で、私どものお客様も、そして私どももたびたび困難な事象が発生した所です。主にお客様の資金繰りということが中心になってくると思いますが、4つ目に、職員の緊急避難先としての総合建物利用というのがあります。実はこの建物、平成28年に建てられましたが、震災のみならず、実は水害対策もちゃんと備えており、1階の本部出入り口に止水板の用意もあります。
また、重要なシステムにつきましては4階、それから電気についても4階にあるということで、水害が来ても大丈夫な建物です。さらには葛飾区と連携を行っており、2階の応接セットを使って、帰宅困難者を泊められるようになっています。
今でこそ対策が進んでいましたが、最近でも、異常気象の問題等から危機寸前まで行くことが多々ありました。このような中で、地域においてこのような形で業務連携いただけることは本当にありがたいことと思っています。
東榮信用金庫・田村理事長
このような機会を設けていただきまして、本日は誠にありがとうございます。災害に関する備えというのはこれでいいということは絶対ないと思います。当金庫の場合も、また湾岸の方に浦安とか葛西にも支店がございます。
震災の時には液状化などで非常に大変な思いをした経験がありますので、こういった横のつながりでいろいろ協力し合えるよう、連携を深めていきたい思っています。
日本政策金融公庫千住支店・奥平支店長
やはり危機対応というのは公庫の最も重要な役割だと認識しています。その危機にはいろいろな種類があるというのは当然のことなんですが、やはりこの間の新型コロナ対応のときに、公庫が1機関でどんなに頑張っても、やはり、あれぐらいの危機になると、一つの機関だけではなかなか対応できないというのが本音です。やはり当然この感染症や災害、いろいろなことがあると思いますが、危機事象が発生して、地域の企業さんたちが困難な状況になっていて、そこから再生をしていくに当たっては、地元に長年密着している民間金融機関の方々としっかり連携することが必要です。その危険性の解消、そして再生、また地域経済の再生に力を尽くしていかないといけない。このような認識から、この覚書を2つの信用金庫様に呼びかけさせていただいて、本当に快く承諾いただきました。我々も政府系金融機関として、民間金融機関さんを補完する機関としてやっていますが、本当に協調で地元企業を支援して地域経済を活性化させていこうという強い志は3者とも一緒だと思っています。さらに結束を強めて、地域の活性化に尽力していきたいと思います。