9月5日、金融審議会「地域金融力の強化に関するワーキンググループ」の第1回会合が金融庁で開かれた。答申は年内に取りまとめられる予定。

ワーキンググループのアジェンダ

  1. 地域金融機関に求められる役割
    人口減少・少子高齢化その他の環境変化に直面する地域を支えるために、地域金融機関に求められる役割は何か。
  2. 地域金融機関の経営基盤の強化
    地域に求められる役割を果たすために、地域金融機関自体の経営基盤をどのように強化していくことが考えられるか。
配布された資料によると、地域金融機関が人口減少や企業数の減少といった地域の構造的な課題に直面していることが指摘されている。その一方で、銀行の本来業務による収益力は低下傾向にあり、経営の二極化も進んでいると分析されている。 人口減少等を背景として、地域金融機関の預金量は停滞しつつある。2021年以降、個人預金量が減少する地域金融機関の数が増加傾向にある。特に信金・信組において、2023年12月以降、個人預金量が減少する金融機関数は預金量が増加する金融機関数を上回っている。

地域金融機関の経営基盤強化と課題

地域金融機関がこれらの役割を十分に果たすためには、自身の経営基盤強化が不可欠であるとしている。そのための施策として、合併・経営統合を促進するための独占禁止法特例法や資金交付制度が導入されており、実際に複数の統合事例が発生している。

また、サイバーセキュリティ対策やマネーローンダリング対策といった、高度な専門性を要する非競争分野のコストが上昇していることが課題として挙げられている。これに対し、複数の金融機関が共同でリスク管理やシステム利用に取り組む「共同化」の検討が必要とされている。

全体として、地域金融機関は、環境変化に適応しつつ、地域経済の活性化に不可欠な存在として、その役割と経営基盤をどう強化していくかが主要な論点となる。

「地域金融力の強化に関するWG」メンバー構成

座長
  • 家森信善 神戸大学経済経営研究所教授

委員
  • 大庫直樹 ルートエフ㈱代表取締役
  • 翁 百合 株式会社日本総合研究所シニアフェロー
  • 小倉義明 早稲田大学政治経済学術院教授
  • 神作裕之 学習院大学法学部教授
  • 河野康子 一般財団法人日本消費者協会理事
  • 西原里江 JPモルガン証券チーフ株式ストラテジスト
  • 野崎浩成 東洋大学国際学部教授
  • 原 恵美 中央大学法務研究科教授
  • 松井智予 東京大学大学院法学政治学研究科教授
  • 松本憲治 日本商工会議所中小企業振興部長
  • 山本眞弓 アルク法律事務所
(敬称略・五十音順)

オブザーバー:全国信用金庫協会・全国信用組合中央協会・全国銀行協会・全国地方銀行協会・第二地方銀行協会・日本労働組合総連合会・財務省・日本銀行・預金保険機構