新世界秩序へ

米国の金融・経済系ポッドキャスト番組「KITCO NEWS」が、シンクタンクInternational Crisis Groupの共同議長をつとめるフランク・ジュストラ(Frank Giustra)氏にインタビューしました。ジュストラ氏は、BRICsの新通貨体制について「デジタル金本位制」になると主張しています。

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BRICsの新通貨体制

同氏は、現在の国際金融秩序の抱える問題点やBRICsが新しい通貨体制を構築していることについて、以下の点をあげています。

  1. 米国の覇権の終焉:
    米ドルが世界の基軸通貨としての役割を終え、その過程で、基軸通貨としての地位と軍事力の間に直接的な関係はないと述べています。(英国が第一次・第二次世界大戦で勝利したにもかかわらず、ポンドが世界の基軸通貨の座を失った例をあげています)
  2. BRICs諸国の台頭と自国通貨決済:
    BRICs諸国が世界のGDPの36%を占めるまでに成長し、貿易において米ドルを介しない自国通貨での決済を進めていることを指摘しています。
  3. SWIFT代替システムの構築:
    ロシアと中国がSWIFT(国際銀行間通信協会)に代わる決済システム(自国中央銀行のデジタル通貨による決済)を開発しており、これが国際貿易決済において重要な役割を果たすようになると予測しています。中国は、人民元の国際化を目指し、goldと連動した決済システムの構築を主導しています。 このシステムは、mBridgeと呼ばれる決済プラットフォームを利用し、取引の決済不均衡をgoldで清算できるようにするものです。 信頼性を担保するため、上海黄金交易所が運営する金庫(vault)がすでに香港に設置済みです。
  4. 米国の財政状況の悪化:
    米国は財政の崖(debt cliff)に向かっており、パウエル議長の後任の新しいFRB議長がトランプ大統領の意向通りに政策金利(FF)を大幅に引き下げた場合、プリンティング・マネー(量的緩和)が再開され、「ドル危機」の可能性があると警告しています。 FRBが7兆ドル(1000兆円)のバランスシートを正常化できず現在、債務超過の状態にあります。次回量的緩和(QE5)が実施されると「デス・スパイラル」を引き起こすだろうと予測しています。
  5. 米国の金本位制回帰の可能性:
    米国が自国通貨を金で裏付けるには、保有している金現物の再評価*(2025年7月現在のgoldは、1オンスあたり3300ドル台だが、米財務省のBS・バランスシート上の簿価は1オンスあたり約42ドル)が必要であり、世界の金の供給をコントロールする必要があると述べています。 しかし、もはや米国が世界の金の供給を支配しているわけではないため、米国単独でこれを達成するのは難しいだろうと見ています。 米国で新しい通貨システムが、金を裏付けとしたシステムとすることには、集団的な合意が必要だと主張しています。 (*金現物の再評価:米政府が保有している金現物をBSの簿価に時価相当額として算入するためには、一旦、金現物を「現物先物取引」などで市場に出す必要がある)
  6. ゴールドとビットコイン:
    究極の匿名性を求める人々はビットコインのような暗号通貨に、そして資産の安全性を求める人々はゴールドに向かうだろうと予測しています。