<記者メモ>
1998年3月25日号

「銀行の貸し渋りが信金のビジネスチャンスに」

四月導入の早期是正措置に備え、各銀行が自己資本比率確保で「貸し渋り」しているのが社会問題となっているが、信金にとってはこれが北海道に限らず全国的にビジネスチャンスになっているようだ。「うちは貸し渋りをしません」と顧客説明会でアピールし、積極的に新規顧客を獲得する信金や、「不況・貸し渋り対策緊急支援融資」を打ち出した信金もある。

かつて都銀の顧客ーと言うと、業績が悪くなって都銀から見切られると信金に融資を打ち切られるケースが多い。「今の貸し渋りは、『貸さない』というより『資金回収』が主。銀行は『一旦、融資金を返して下さい。そうしたらまた新たに融資します』などと言って資金回収にかかる。中小企業の方はきちっと資金の手当てができないと次の融資に差し支えると思って、借金をすべて返す。ところが、銀行はそれっきりで融資を打ち切ってしまうのです」(金融関係者)

そのため、すぐ資金手当てができるような「優良顧客」が巷に流れ出しているのが現状のようである。

こうした中、大阪市信金では、三月五日から八月二十八日まで、「不況・貸し渋り対策緊急支援融資」として三百億円を用意。一先あたり一億円を限度に、最長七年まで融資をする。元金据置期間(二年まで可能)は固定金利二・五%で。以降は元金均等分割返済で長プラ即変動金利。

神奈川県の三浦藤沢信金でも、昨年後半から小川理事長が、ビッグバン、早期是正措置と貸し渋りなどをテーマに地元の各団体にすでに六十ヶ所以上出張講演し、「うちには貸し渋りはありません」と金庫PRに努めている。

積極的な姿勢の信金は一様に、「良いお客さんが多いですね。この不況で新規優良貸出先の開拓が難しい中、思わぬビジネスチャンスになっていますよ」と顔をほころばせる。

「十分な審査」「大口を避ける」などが注意点としながらも、各信金は、独自の視点で事業の将来性を見極め、積極的に融資を行っている。(大嶋)