テクニカル・トレーダーズのチーフ・ストラテジストであるクリス・ヴァーミューレン氏は現在の市場が「極めて重要な転換点」に達しており、2022年の暴落時と酷似したパターンを辿っていると強い警鐘を鳴らしています。
動画再生回数は、1日で4万回以上。
分析概要
1. 2022年型クラッシュの再来と株式市場の脆弱性
ヴァーミューレン氏は、S&P 500が2022年以来最悪の年初来パフォーマンスを記録している点に注目し、現在のセンチメントと資金の流れが当時のピーク時と「ほぼ同一」であると分析しています。S&P 500やナスダックは主要なサポートレベルを割り込んで天井圏のパターンを形成しており、単なる一時的な調整ではなく、回復に数年を要する本格的な弱気相場の始まりである可能性を示唆しています。
2. 原油(WTI):市場を揺さぶる「キングピン」
現在の市場を支配する最大の要因として挙げられたのが原油価格です。- 価格目標と影響: フィボナッチ・エクステンションに基づき、原油価格が140ドルまで上昇する可能性を指摘しています。これは現状から約37〜38%の上昇を意味し、経済全体に甚大な被害をもたらすと警告しています。
- 負の相関: 原油価格の上昇はインフレ懸念を増大させ、債券価格を下落させるとともに、消費者の購買力を奪うことで最終的に企業の収益悪化と株価下落を招く「負のサイクル」を生み出します。
- 地政学リスク: トランプ前大統領とイランをめぐる交渉や、カーグ島(Kharg Island)への攻撃示唆といったヘッドラインが市場を翻弄(Whipsaw)しており、予測不能なリスクを高めています。
3. 「安全資産」神話の崩壊と貴金属の現状
従来、株価下落のヘッジとして機能してきた金(ゴールド)についても、現在は「安全な逃避先」としての機能を失いつつあると述べています。- 株式との連動: 金は現在、株式市場のボラティリティと連動して動いており、弱気相場特有の「あらゆる資産が売られる」フェーズに入っています。
- 大幅下落の予測: ヴァーミューレン氏は、銀に30〜40%、金に20%以上のプルバック(引き戻し)が起こる兆候があるとし、金価格は3600ドル付近まで下落する可能性があると予測しています。
4. 投資家が取るべき戦略:傍観と資本保護
極めて高いボラティリティとニュースに左右される現状において、ヴァーミューレン氏が推奨するのは「市場から一歩退く(Sidestep)」ことです。- 現金の有効性: 同氏は既に約1カ月前に株式や貴金属のポジションを解消し、現在は現金ポジションで利息を得ながら待機しています。
- トレンドの確認: 無理に底値を拾おうとするのではなく、トレンドが明確に下向きであることを確認してからインバースETF(逆張り型指標)で利益を狙うべきだと主張しています。
- 結論: 現在は利益を追求する時期ではなく、資産を守り、ライフスタイルを維持するための「資本保護」を最優先すべき非常に危険な時期であると結論づけています。
ヴァーミューレン氏は、AIやロボティクスによるビジネスモデルの激変という長期的要因と、原油価格という短期的要因が重なり、2022年を上回る規模の「大きなリセット」が目前に迫っているという、非常に悲観的な見通しを提示しています。
Chris Vermeulen氏
ChatGPTによるAI生成画像