ハーバード大学の元教授で歴史家のウラジーミル・ブロフキン博士は、トランプ大統領とネタニヤフ首相によるイランへの攻撃を、エネルギー支配を確立し中国に対抗するための「無謀な試み」と位置づけています。
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分析概要
1. トランプ政権の「ギャング外交」と信頼の崩壊
トランプ氏の手法は、高官級の交渉中に最高指導者の暗殺を実行するなど、外交の常道から外れた「ギャング的(gangster-like)」なものであり、これがプーチン大統領やロシアのエリート層に深刻な心理的衝撃を与えました。その結果、ロシア側では「交渉中に攻撃を行うような人物とは、いかなる合意も信頼できない」という認識が定着し、プーチン氏が築いてきた米国との信頼関係は完全に破壊されたと主張しています。2. ロシアの核心的利益としてのイラン
ブロフキン博士は、イランの防衛はロシアにとって「ウクライナ以上に重要」な核心的利益であると断言します。- 地政学的アクセス: NATOによってバルト海や地中海が封鎖されるリスクがある中、イランを経由してインド洋へ抜ける鉄道ルートは、ロシアにとって死活的な貿易路となります。
- 経済的連帯: 両国はBRICSの一員であり、欧米の制裁下にあるロシアや中国の企業にとって、イランは巨大な潜在的市場です。
- 軍事的協力: ロシアは公式には軍事情報の提供を否定していますが、ドローンの相互提供やS-400防空システムの提供など、緊密な軍事協力を行っていることが指摘されています。
3. ロシアの「秘密戦略」:中東の融和とNATOの分断
ロシアの戦略的意図は、単なるイラン支援に留まりません。- 湾岸諸国との和解: ロシアは、イランと湾岸諸国(サウジアラビアやエミレーツなど)の長年の対立を解消させ、彼らを「OPECプラス」や「BRICSプラス」の枠組みで団結させようとしています。
- 米軍排除: ロシアの究極的な「秘密の願い」は、中東から米軍基地を完全に撤退させることであり、地域諸国が米国への依存を脱却することを支援しています。
- NATOの弱体化: プーチン氏がトランプ氏との交渉の「フィクション」を維持している唯一の理由は、米欧間やNATO内部に不和を植え付け、西側の「団結した戦線」を分断するためです。
4. 米国覇権の終焉と多極化への移行
ブロフキン博士は、現在の危機を米国の覇権が崩壊するプロセスと見ています。- 経済的逆転: 莫大な債務(2025年だけで1兆ドルの赤字)を抱える米国に対し、実体経済で莫大な利益を上げる中国の台頭は顕著です。
- 孤立の加速: 威圧的な軍事介入や制裁は、かえって米国を国際社会から孤立させ、世界的な地位の弱体化を自ら招いています。
- 多極化の必然: アジア市場への貿易シフトが進む中、米国中心の一極集中体制はもはや維持不可能であり、中東での紛争はその終焉を早める触媒となっていると結論づけています。
このように、ウラジーミル・ブロフキン博士は、米国の軍事行動が戦略的失敗に終わり、ロシアと中国がイランを支柱として中東の新たな秩序を再構築し、米国のグローバルな支配力に終止符を打とうとしている状況を鋭く分析しています。
ウラジーミル・ブロフキン博士(左)
ChatGPTによるAI生成画像