貴金属投資の専門家であるシェクトマン氏は、現在の貴金属市場で起きている現象を「歴史上かつてない規模の物理的現物の引き出し」と定義し、不換紙幣システムへの信頼崩壊と、現物資産への劇的なシフトが起きていると強く警告しています。
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分析概要
1.COMEXにおける空前の現物引き出し
シェクトマン氏が最も重視するシグナルは、COMEX(コメックス:世界最大規模の貴金属の先物取引市場)における圧倒的な現物受渡し(デリバリー)の量です。- 異常な規模: メインストリームメディアでは報じられていないが、毎月数十億ドル相当の資金がコメックスに流入し、現物の引き出しが行われている。
- 具体的な数字: 2025年12月には金370.6万オンス、銀6473万オンスのデリバリーが成立した。12月としてこれほどの規模のデリバリーは、コメックスの歴史(1974年〜)で最大である。
- 賢い投資家の動き: 政府や金融の最高レベルに位置する、最も情報に精通した投資家たちが、証券上の「紙の約束」ではなく、物理的な現物の保有を急いでいる。
2.「信頼の崩壊」とドルの武器化
この動きの根底には、米国の制度、市場、および通貨に対する信頼の劇的な低下(Erosion of Trust)があります。- ドルの武器化: ロシアへの制裁(資産凍結)以降、ドルの武器化を恐れる中央銀行や国家が、カウンターパーティー・リスクのない金・銀へのシフトを加速させている。
- ドルの価値低下: シェクトマン氏はドルを「溶けゆく氷(Melting ice cube)」に例え、もはや価値の保存手段として機能していないと主張している。
- 連邦準備理事会(FRB)への不信感: FRBの独立性が疑われており、もし市場がその独立性の喪失を察知すれば、金価格は「月まで届く(Go to the moon)」ほど急騰すると予想されている。
3.銀の戦略的重要性:供給不足と産業需要
特に銀については、単なる投資資産ではなく「国家安全保障に関わる戦略的資源」としての側面が強調されています。- 戦略的鉱物: 米国政府は銀を「クリティカル・ミネラル(重要鉱物)」に指定した。中国も国内需要を優先し、輸出制限をかけている。
- 直接調達の動き: 中国やサムスンなどの巨大企業は、西側の取引所を通さず、メキシコなどの鉱山から直接、精製前の濃縮物(ドーレ)を倍の価格で買い叩いて確保している。
- 需給の不均衡: 銀の需要は激増しているが、供給は6年連続で構造的な不足状態にあり、今後、産業界、政府、投資家による激しい現物奪い合い(バトリング)が起きると予測されている。
4.西側銀行の存亡リスク(裸のショート)
価格抑制のために銀や金の「ペーパー・ショート(空売り)」を積み上げている西側の銀行にとって、現在の価格上昇と現物引き出しは「存亡の脅威(Existential threat)」となります。- 裸のショートの限界: 存在しない現物を売っている「裸のショート(Naked short)」の状態にある欧州やカナダの銀行は、現物の引き渡しを求められた際に破綻するリスクがある。
- 価格の再設定: 現在の価格上昇は単なる変動ではなく、銀や金の本質的な価値の「再評価(Repricing)」であると述べている。
- 米国の大手銀行のポジション転換: 新たな情報として「Economic Times」のレポートを引用し、米国の大手銀行は静かに「ロング(買い持ち)」のポジションへと「flip-flop(反転:ドテン)」したと述べている。
アンディ・シェクトマン氏(左)
ChatGPTによるAI生成画像