ハウエル氏の主張の核心は、世界的な「グローバル流動性サイクル」が転換点を迎えており、2026年には過去のゼロ金利政策のツケ(債務の壁)が回ってくる一方で、政府主導の支出がインフレを引き起こすというものです。
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分析概要
1.「Fed QE」から「財務省 QE(Treasury QE)」への移行
ハウエル氏は、流動性供給の主体と質が変化していると指摘します。- Fed QE(従来の量的緩和):FRBが資産価格を押し上げるために行っていた「狙いの定まらない放水(unguided hose)」。これはウォール街(金融資産)には恩恵がありましたが、メインストリート(実体経済)への効果は限定的でした。
- 財務省 QE:現在進行しているのは、米財務省が短期国債(T-Bill)を発行し、それを銀行が購入することで資金調達を行う手法です。調達された資金は防衛産業やAI投資、再工業化など実体経済に直接注入されます。
- 結果:これにより2026年の米国のGDPや雇用は強く推移する可能性がありますが、それは純粋な財政ファイナンス(マネタイゼーション)であり、インフレを誘発します。
2.「債務の満期の壁」と市場の混乱
- 「狂気(Absolute Madness)」の代償:過去のゼロ金利・マイナス金利政策時代に積み上げられた膨大な債務が、2026年頃に一斉に借り換え(リファイナンス)の時期を迎えます(Debt Maturity Wall)。
- 流動性の枯渇:金利が上昇した環境での借り換えは、市場から大量の流動性を吸い上げます。実体経済が資金を必要とする中で、金融市場(特にリポ市場)では資金不足が生じ、ボラティリティや金融システムの不安定化(危機)を招くリスクが高いと警告しています。
3.資産配分と投資戦略
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ハウエル氏は、現在の流動性サイクルが「投機(Speculation)」段階から「乱気流(Turbulence)」段階へ移行しつつあると分析しています。
- 株式市場:実体経済は良くても、金融市場の流動性が圧迫されるため、2026年のS&P500などはレンジ相場(横ばい)か、調整局面になると予測しており、ディフェンシブな姿勢を推奨しています。
- 金・銀・ビットコイン:通貨価値の希薄化(monetary inflation)に対するヘッジとして、金や銀などの貴金属に強気な見方を示しています。特に金は、過去25年間の連邦債務の増加ペースを上回るパフォーマンスを見せており、今後も押し目買いが推奨されます。
- 中国:不動産問題を抱える中国は、人民元を切り下げ(対金価格で下落)、通貨増刷によって担保価値を維持するしかない状況にあると指摘しています。
マイケル・ハウエル氏