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分析概要
1. 政策金利の0.25%引き下げ決定と背景
パウエル議長は、政策金利(フェデラルファンド金利)の誘導目標を0.25%引き下げ、3.50〜3.75%の範囲にすることを決定したと発表しました 。この決定は、インフレと雇用のリスクバランスを考慮したもので、9月以降の利下げ幅は合計で0.75%(前回、前々回に続く3回目の利下げ)となります。- インフレの現状:ンフレ率は2022年のピークから大幅に緩和しましたが、目標の2%と比較すると「やや高い水準(somewhat elevated)」に留まっています。特に関税の影響で財(Goods)のインフレが上昇していますが、これは一時的な価格シフトであり、長期的には2%に戻ると予測しています。
- 労働市場の減速:労働市場はもはや過熱しておらず、失業率は4.4%まで上昇し、雇用の伸びは大幅に鈍化しています。移民の減少などによる労働供給の減少も一因ですが、労働需要も明らかに軟化しており、雇用に対するダウンサイドリスク(下振れリスク)が高まっています。
2. バランスシート政策の変更:短期国債購入の再開
金融政策とは別の措置として、FRBは短期国債(主にT-bill)の購入を開始することを決定しました。- 目的:これは金融緩和(QE)ではなく、銀行システム内の準備預金(Reserves)を「十分な水準(ample level)」に維持し、政策金利を効果的にコントロールするための技術的な調整です。
- 背景:マネーマーケット金利の上昇などから、準備預金が適正水準まで減少したと判断されたためです。
- 規模:初月は400億ドル規模で購入し、その後数カ月間は資金需要(特に4月の納税時期)に対応するため高水準を維持する予定です。
3. 経済見通し(SEP)と今後の政策パス
- 経済成長:2025年の実質GDP成長率は1.7%、2026年は2.3%と予測されており、9月時点の予測より上方修正されています。消費は底堅く、AI関連などの設備投資も拡大しています。
- 「中立」への移行:パウエル議長は、現在の政策金利水準は「中立金利(Neutral Rate)」の妥当な推定範囲内にあると述べ、今後の追加調整の有無やタイミングについては、データ次第で判断できる「良い位置(well positioned)」にいると強調しました。
- 見通しの不確実性:10月・11月の政府閉鎖によるデータの遅れや歪みがあるため、今後のデータ(特に家計調査)は慎重に評価する必要があると述べています。
4. 質疑応答での注目点
- 利下げへの反対票:今回の決定には反対票(Dissent)がありましたが、パウエル議長はこれを「インフレと雇用のリスクに対する見方の違い」による健全で思慮深い議論の結果であるとし、委員会が機能不全に陥っているわけではないと説明しました。
- 生産性向上とAI:雇用の伸び悩みと高いGDP成長率の乖離について、生産性の向上(AIや自動化の影響を含む可能性)が背景にあると示唆しました。
- 政治的圧力:トランプ大統領(次期大統領としての言及を含む文脈)や次期議長候補に関する質問に対し、パウエル議長は自身の任期(5月まで)を全うし、インフレ抑制と強い労働市場の維持に集中すると述べ、政治的なコメントは避けました。
パウエル議長