金融アナリストのLynette Zang(リネット・ザング)氏が、レポ市場(Repo Market)の異常な動きを分析し、差し迫った金融危機と流動性危機の可能性について警告を発するものです。 ザング氏の主な論点と主張は「銀行は巨額の現金を連邦準備理事会(FRB)から借り入れており、これはシステムの流動性が危機的なレベルに達していることを示している。この危機は金融資産の崩壊と、最終的に通貨の全面的なリセットにつながる」というものです。
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分析概要
レポ市場の異常と「流動性危機」🚨
ザング氏は、FRBが銀行などの金融機関に緊急的に現金を貸し出すための仕組みであるレポ市場の動向を、金融システムの健全性を示す最も重要な指標としています。1. 銀行による高水準の借入
- 警告のシグナル:銀行(およびノンバンク)がFRBの流動性ファシリティ(特にリバース・レポ市場やその他の緊急借入枠)から、史上最高水準の現金を借り入れていることを指摘しています。
- 問題点:これは、通常であれば短期資金の調達に問題がないはずの銀行が、システム内で必要な現金を調達できず、FRBに頼らざるを得ないという、流動性の逼迫を示しています。
2. 資産担保融資(Asset-Based Financing)の危険性
- 「プライベート・クレジット(私募債務)」の裏側:銀行の借り入れの背景には「資産担保融資(Asset-Based Financing)」すなわち資産を担保にした融資、特にプライベート・クレジットの増加があると見ています。
- レバレッジの崩壊:景気が上向いているときは、負債とレバレッジ(借り入れ)によって利益が拡大しますが、経済が下降し始めると、このレバレッジが逆に作用し、急速に資産価値を破壊すると警告しています。
通貨の全面リセットへ 💰
ザング氏は、この流動性危機が単なる景気後退に留まらず、通貨システム全体を巻き込む危機に発展すると主張しています。1. 借金の返済を現実に伴う危機
- ドル安の誤解:多くの投資家が政府の負債増大によるドル安に賭けているが、真の危機が始まると、借金の返済(デレバレッジ)のために誰もがドルを必要とする状態になると主張しています。
- 「キャッシュは王様」:借金を返すには現金(ドル)が必要になるため、ドル安どころか、一時的にドルが暴騰する流動性危機が訪れると予測しています。
2. 最終目標はCBDC(デジタル通貨)
- 歴史の繰り返し:彼女の持論である「歴史は繰り返される」に基づき、金融の危機とリセットは常に、支配者側が新しい金融システムを導入するための口実として使われてきたと主張します。
- 最終的な解決策:迫りくる金融崩壊の結末は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入を通じた通貨の全面的なリセットにあると断言しています。これは、国民の自由を奪い、政府の管理下に置くための手段だと警鐘を鳴らしています。
自己防衛の必要性 🛡️
ザング氏は、この金融リセットの時代を生き抜くためには、銀行システムの外に資産を保有することが不可欠だと結論づけています。- 金(ゴールド)の重要性:「銀行システムの外部」にあり「誰かの負債ではない」という本質的な特性を持つ現物の金や銀の準備が、購買力を守るための唯一の真の手段であると強調しています。
- CBDCへの警戒:CBDCは便利に見えるかもしれませんが、それはシステムへの完全な組み込みを意味し、資産をシステム外に置くことが自己防衛の鍵だと訴えています。