このインタビューは、金（ゴールド）と銀（シルバー）市場で起きている記録的な高値更新とその後の急落という「極端なボラティリティ（価格変動）」の背景にある「本当の物語」について、マイルズ・フランクリン・プレシャス・メタルズCEOのAndy Schectman（アンディ・シェクトマン）氏が解説したものです。
シェクトマン氏の核心的な主張は、この価格変動、特に急激な下落は「意図的に仕組まれた市場操作」であるという点です。動画再生回数は、1日で7万回以上。（画像は、アンディ・シェクトマン氏のスクリーンショット）
分析概要
「価格の誤誘導（Price Misdirection）」としての急落 📉
シェクトマン氏は、最近の金先物の急落（過去10年以上で最大）は、通常の利益確定売りやテクニカルな調整ではないと断言します。彼はこの現象を「ドライブバイ・シューティング（流し撃ち）」と呼び、ニューヨーク市場が眠っている流動性が最も低い時間帯に、何者かが意図的に大量の先物（ペーパー）契約を市場に投下し、価格を人為的に暴落させたと分析しています。
このような非合理的な取引（トレーダーなら解雇される行為）の目的は、市場参加者を怖がらせ、上昇しすぎた価格への注目をそらすための「エフェクト（効果）」すなわち「価格の誤誘導」だと指摘します。操作の動機：現物の買い占めとショートカバー
シェクトマン氏は、この人為的な価格暴落の直後、バンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーなどが、安値で現物を大量に買い占めた（スクープアップした）形跡があると指摘しています。これは、ロンドン（LBMA）などで発生している深刻な現物不足 や、大手金融機関が抱える「巨大な空売りポジション」をカバーする必要性に迫られた「絶望的な（desperation）」動きの表れであると推測しています。
本質的なシグナル🚨「脱ドル化と金融リセット」
シェクトマン氏は、こうした短期的な価格操作は「ノイズ」に過ぎない とし、投資家が見るべき本質的な「シグナル」は、世界的な「脱ドル化」と新たな金融システムへの移行であると強調します。番組では、ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁が「ドルの魅力が侵食されている兆候がある」「（50%以上上昇した）金価格は、基軸通貨ドルへの信頼が揺らいでいるサインだ」と公に認めた発言が紹介されました。
また、米国のスコット・ベッセント財務長官が金価格上昇の理由を「買い手が売り手より多いからだ」と冗談めかして語ったことに対し、シェクトマン氏は、米国政府自身が為替安定基金（ESF）などを通じて秘密裏に金を購入している可能性に言及。最終的には、意図的にドルを切り下げ（金価格を上昇させ）、米国の製造業の競争力を回復させると同時に、金（ゴールド）に裏打ちされた財務省債券を発行して金融システムへの信頼を回復させるという、壮大な国家戦略の一環であるとの持論を展開しました。