この動画の主な主張は、中国経済が「バズーカ」と呼ばれる大規模な景気刺激策にもかかわらず、深刻なデフレと景気後退に直面しており、その根本原因は民間銀行セクターの機能不全にあるというものです。
動画再生回数は、1日で3万回以上。(画像は、ジェフリー・シュナイダー氏のスクリーンショット)
分析概要
銀行システムの崩壊と刺激策の完全な失敗 🙅🏻
- 中心的な主張は「中央銀行ではなく、民間銀行こそが重要だ」という点です。民間銀行がリスクを取って貸し出し(信用創造)を行わなければ、政府や中央銀行のいかなる刺激策も効果がないと論じています。
- 中国の銀行は貸し出しを急激に削減しています。その証拠に、2023年9月に10.9%だった人民元融資残高の伸び率は、景気刺激策(バズーカ)が投じられたにもかかわらず、2024年9月には過去最低の6.6%にまで低下しました。
- 9月の新規人民元融資は2023年の3分の1程度であり、家計向け融資も過去10年で最悪の水準です。これは、昨年の「バズーカ」が完全に失敗したことを示しています。
「今夏に何かが大きく変わった」:深刻なマクロ経済
- 2025年の夏ごろから、銀行貸し出しが急減速し、経済状況が「非常に暗い」ものになったと指摘しています。
- 現在、中国経済は世界への輸出の「洪水」によってのみ支えられています。 国内経済は壊滅的で、小売売上高は過去4カ月のうち3カ月で減少し、固定資産投資(FAI)は2020年以来の縮小を記録しました。特に、これまで堅調だった製造業への投資が急失速しています。
- 名目GDP(3.7%)が実質GDP(4.8%)を下回っており、GDPデフレーターは10四半期連続のマイナス(-1.1%)という深刻なデフレ状態にあります。
経済危機と政治的不安定化(四中全会)
- 「経済成長の変化率が下がると、政治の変化率が上がる」という法則を提示しています。
- 経済戦略を討議する「第四回全体会議(四中全会)」の直前に、習近平氏側近の何衛東氏を含む軍高官らが追放されたことは、経済的苦境が政治的不安定化を引き起こしている証拠だと分析しています。
- この粛清は、習氏がハイテク重視の経済計画(AI、量子コンピュータ等)への反対派を弾圧しているか、あるいは逆に、習氏への反対勢力が力を増している可能性を示唆しています。
結論:「世界的デフレ」のリスク 😨
- 中国の民間銀行は「壊れて」おり、一度銀行が壊れると政府に打つ手はなくなります。
- 中国が直面するデフレと雇用リスクは「気の抜けた炭酸飲料(Flat Beverage)」 であり、世界経済にとって大きな脅威です。
- 金(ゴールド)価格の高騰と「金:銅」比率の記録的な高まりは、中国発の深刻なデフレ懸念を市場が織り込んでいるシグナルだと結論付けています。