ジュストラ氏は、長年にわたり主張してきた金の重要性と法定通貨(Fiat Money)システムへの警鐘が、今まさに現実のものとなりつつあると論じています。彼の主張の核心は、現在進行中の金(ゴールド)価格の上昇は単なる市場の熱狂ではなく、世界的な金融システムの「リセット」が目の前で起きていることの現れであるという点にあります。
動画再生回数は、1日で15万回以上。(画像は、フランク・ジュストラ氏のスクリーンショット)
分析概要
金価格上昇の真の原動力は中央銀行 🏦
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ジュストラ氏は、金価格上昇の主な要因は個人投資家ではなく、世界中の中央銀行による大規模な購入であると強調します。彼は、中央銀行が金を備蓄する動機を大きく2つに分けて説明しています。
- 脱ドル化 (De-dollarization): 米国の制裁や関税のリスク、そして悪化する財政状況への懸念から、各国が米ドルへの依存を減らそうとしています。その代替として、どの国にも属さない中立的な通貨である金が選ばれています。
- 地政学的・戦略的理由: 特に中国やロシアといったBRICs諸国は、将来の新たな国際通貨取引システムにおいて金が中心的な役割を果たすことを見据え、戦略的に金を買い増しています。
中国が描く新たな決済システム 🇨🇳
ジュストラ氏は、中国が金を活用して新たな国際決済システムを構築しようとしていると指摘します。具体的には、人民元など各国の現地通貨で行われる2国間貿易において、貿易黒字国が抱えることになる不換紙幣の問題を、金との交換によって解決する「純決済(Net Settlement)」の仕組みです。中国が上海黄金取引所で人民元の金への交換を可能にしたり、世界各地に金の保管庫を設置したりしているのは、この構想を実現するための布石だと述べています。ビットコイン は「デジタル・ゴールド」ではない
ジュストラ氏は、ビットコインを「デジタル・ゴールド」と呼ぶことに明確に反対しています。金とビットコインは逆の相関関係にあり、危機時に価値が上がる金に対して、ビットコインはそうではないと主張します。現在、金価格を押し上げているのは中央銀行であり、若い世代がビットコインに移行するという議論は、この本質的な動きを見誤っていると批判しています。投資家へのアドバイスと警鐘 🔔
ジュストラ氏は、これから金を購入しようとする投資家に対し、価格変動リスクを避けるため、一度に全額を投じるのではなく、時間をかけて少しずつ買い進めることを推奨しています。彼自身も現在に至るまで物理的な金(ペーパーゴールドではない)を買い続けていると明かしています。一方で、彼は金価格の高騰を手放しで喜ぶべきではないと警告します。「5000ドルの金を望むなら注意が必要だ。それはどのような世界を意味するのか?」と問いかけ 、金価格の上昇は、世界経済や社会が非常に不安定で望ましくない状況に向かっていることの裏返しであると指摘します。金はあくまで、家が火事になった時に助けとなる「保険」のようなものだと考えるべきだと述べています。
総じて、本インタビューは、現在の市場動向を法定通貨システムの歴史的な転換点と捉え、その中で金が果たすであろう中心的な役割についてジュストラ氏の洞察を深く掘り下げた内容となっています。