David Linチャンネルのサイクル研究財団(Foundation for the Study of Cycles)のエグゼクティブ・チェアマン、Richard Smith(リチャード・スミス)氏へのインタビュー「Market Warning: ‘Topping Phase’ Reached Says Cycle」(「市場は天井を打ったか」サイクル分析が示す危険なサイン)のAI分析です。

この中で、スミス氏は、経済、金利、市場に存在する様々な周期的なパターン(サイクル)を分析し、現在の金融市場が極めて脆弱な「サイクルの後期」にあり、「非対称リスク」(予期せぬ出来事が起きた際に急激に状況が悪化するリスク)を抱えていると警告しています。

動画再生回数は、1日で2万回以上。(画像は、リチャード・スミス氏のスクリーンショット)

分析概要

巨大な債務サイクルの後期と金利の長期上昇

スミス氏の分析の根幹をなすのは、米国が80年から100年周期の「巨大な債務サイクル」の最終段階にあるという認識です。米国の国家債務が37兆ドルを超えた事実に触れ、歴史的なデータに基づき、金利はすでに底を打ち、今後5年、10年、15年という期間で上昇していくと予測しています。巨額の債務を抱える中で金利が上昇することは、政府の利払い負担を増大させ、経済に深刻な圧力をかけると指摘しています。

スタグフレーションへの懸念

サイクル分析によると、インフレと失業の両方に上昇圧力がかかっているとスミス氏は主張します。具体的には、消費者物価指数(CPI)には64カ月周期の上昇サイクルが見られ、失業率にも67カ月周期の上昇トレンドが現れていると分析しています。これにより、連邦準備理事会(FRB)は、失業率の上昇を抑えるために利下げをしたい一方で、根強いインフレにも対処しなければならないという、非常に困難な状況に直面すると述べています。

最終的に米政府は債務を事実上マネタイズ(通貨増発で賄うこと)せざるを得なくなり、その結果、低成長と高インフレが併存する「スタグフレーション(景気後退下のインフレ)」が起こる可能性が高いとの見方を示しました。

各市場におけるサイクル分析と短期的な見通し

スミス氏は、このマクロ経済の状況が各市場に与える影響についても言及しています。
  • 株式市場(S&P 500): 1928年まで遡っても統計的に有意であるという42カ月(約3.5年)のサイクルを分析。現在はこのサイクルの後期にあり、日次データを見ても、10月から11月にかけて短期的な下落を示唆していると警告しています。
  • 米ドル: 短期的には、下がりすぎた反動で上昇する可能性があると見ていますが、長期的には構造的な問題を抱えていると指摘。米中間のデカップリングが進むことで、中国などによる米国債の購入が減り、ドルと米国債の信頼性が損なわれるリスクに言及しています。
  • ビットコイン: 週足データでのサイクル分析では、現在が「天井圏」の段階にあり、価格は上昇しているもののモメンタム(勢い)は低下している「divergence(相反)」が見られることから、大幅な調整のリスクがあると分析しています。ただし、米ドルの信認が揺らぐ中では、金(ゴールド)と同様に「ワーストケースシナリオへのヘッジ」として機能する側面もあると述べています。
総じて、スミス氏は自身の専門であるサイクル分析を通じて、現在の市場が歴史的な転換点にあり、債務、金利、インフレという複数の要因が重なり合うことで、投資家は極めて慎重になるべき局面であると強く主張しています。