YouTubeチャンネルThe Daniela Cambone Showの動画「Vietnam Freezes 86 Million Bank Accounts Overnight, US is Next Under Genius Act」(ベトナムは8600万の銀行口座を一夜で凍結。GENIUS法案の下、次はアメリカか)のAI分析。

経済評論家のJim Rickards(ジム・リカーズ)氏が、米国の「GENIUS Act」法案とステーブルコインがもたらす金融リスク、そしてデジタル管理社会の到来について警鐘を鳴らしています。

動画再生回数は、1日で18万回以上。(画像は、リカーズ氏のスクリーンショット:右側)

分析概要

GENIUS法とステーブルコインの二つの誤解

リカーズ氏はまず、ステーブルコインを米国債で裏付ける「GENIUS Act(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act):天才法」を取り上げ、この法案を巡る二つの主要な言説はいずれも誤りだと指摘します。

一つは、ロシアなどが主張する「米国が自国の債務問題を世界に転嫁するための詐欺(Rug Pull)*だ」という批判です。これは、世界が米国債を売り放つ中で、ステーブルコインを利用して米国債市場を人為的に支えようとする策略だという見方です。

しかしリッカーズ氏は、財務省のデータを基に「世界が米国債を売却している」という前提自体が事実ではないと反論します。実際には、各国が米国債を売却するのはドルから逃げるためではなく、自国通貨の安定化などのためにドル資金を必要としているからであり、世界はむしろドルを渇望していると説明します。

もう一つの誤解は、ホワイトハウスなどが推進する「ステーブルコインは安全で革新的な技術だ」という楽観的な見方です。

ステーブルコインの真の危険性

リカーズ氏が指摘するステーブルコインの本当の危険性は、その構造的な脆弱さにあります。ステーブルコインの仕組みは、投資家から預かったドルで発行者が米国債などを購入し、その利息を独占するというものです。投資家は利息を得られませんが、そのステーブルコインを使ってビットコインなどの暗号資産を購入できるため、この仕組みは成立しています。

しかし、問題は発行者がほとんど規制されておらず、監査も受けていない点にあります。これにより詐欺が発生するリスクがあるだけでなく、より大きな問題は、金融不安時に投資家が一斉にドルへの換金を求めた場合に発生します。

その際、発行者は裏付け資産である米国債を大量に売却する必要がありますが、世界で最も流動性が高いとされる米国債市場でさえ、短期間に兆ドル単位の売りを吸収することは不可能です。結果として市場は凍結し、2008年の金融危機(リーマンショック)でマネー・マーケット・ファンド(MMF)が引き起こしたような、あるいはそれ以上の大規模な金融パニックに発展するとリカーズ氏は予測します。当時、MMFは連邦準備理事会(FRB)によって救済されましたが、規制外のステーブルコイン市場をFRBが救済する保証はないと彼は考えています。

デジタル管理社会への警鐘と個人の防衛策

インタビューでは、ベトナムで生体認証IDが義務化され、8600万もの銀行口座が凍結・消去された事例が紹介されます。リッカーズ氏はこれを中央集権的なデジタル管理社会の「実験」と捉え、GENIUS Actや中央銀行デジタル通貨(CBDC)が米国でも同様の状況、つまり政府による個人の金融資産の完全な監視とコントロールへの道を開く可能性があると警告します。

こうした状況に対し、政治的な抵抗は困難であるとし、リカーズ氏は個人ができる防衛策として以下を提言しています。

  • 物理的な金(ゴールド)の保有:資産の10%程度を現物の金で持つこと。
  • 「本物の現金」の確保:ステーブルコインではなく、FDIC(連邦預金保険公社)によって保護された銀行預金や、安全な証券会社の口座で米国債を保有すること。
リカーズ氏は、これらのデジタル金融の進展が、利便性の裏で個人の自由と資産をかつてない危機に晒していると結論付けています。

*Rug Pull(ラグプル):暗号通貨やNFT の開発者が投資家の資金を集めるためにプロジェクトを推進するが、投資家の資産を持ち去ってプロジェクトを閉鎖したり姿を消したりする詐欺