Miles Franklin Mediaチャンネルの Larry Lepard(ラリー・レパード)氏へのインタビュー「Another Big Print Is Coming: Inflation to Get Worse, Fed May Not Survive」(紙幣の大増刷がやってくる。インフレは悪化する。FRBは生き残れない)のAI分析です。

このインタビューで、投資家のラリー・レパード氏は、現代社会が直面する経済的・政治的混乱の根本原因は「不健全な貨幣(Unsound Money)」、すなわち政府が意のままに増刷できる法定通貨(fiat money)システムにあると強く主張しています。

動画再生回数は、1日で3万回以上。(画像は、ラリー・レパード氏のスクリーンショット:右側)

分析概要

不健全な貨幣システム

レパード氏の中心的な論点は、1971年にニクソン大統領がドルの金本位制を停止したことが決定的な転換点となったというものです。これにより、通貨の価値を裏付けるものがなくなり、政府は借金を重ね、それを返済するために大規模な紙幣増刷(The Big Print)を行うようになりました。レパード氏によれば、私たちが経験しているインフレはシステムの「バグ」ではなく、政府や金融エリートが一般市民から静かに富を奪うための意図された「仕様」なのです。

この不健全な貨幣システムは、労働者や貯蓄者の購買力を奪い、富を政府やエリート層に不当に移転させることで、深刻な経済格差と社会不安を引き起こしていると彼は指摘します。彼は、連邦準備理事会(FRB)を、12人の人物が金の価格を不正に操作する「銀行カルテル」と厳しく非難し、将来的にはFRBのない世界が到来すると予測しています。

今後の見通しとして、レパード氏はさらなる大規模な金融緩和(QE)が避けられず、インフレはさらに悪化すると警告します。この危機的状況を乗り越えるための解決策として、彼は政府が作り出せない「健全な貨幣(sound money)」への回帰を提唱しており、その具体的な例として、供給量が物理的またはアルゴリズム的に限定されている金(ゴールド)とビットコインを挙げています。

The Fourth Turning Theory(「第4の節目」理論)

インタビューの中でレパード氏は、現在の危機を歴史サイクル論である「The Fourth Turning Theory」*と結びつけて説明しています。

これは、歴史家ウィリアム・ストラウス(1947-2007)とニール・ハウ(1951-)が提唱した理論で、歴史は約80年から100年のサイクルで繰り返され、そのサイクルは「4つの節目(ターニング)」に分けられると主張します。最後の段階である「第4の節目」は「危機の時代」とされ、既存の社会制度が崩壊し、大きな混乱や紛争を経て、やがて新たな社会システムが再構築される時期を指します。

アメリカの歴史における過去の「第4の節目」は、「アメリカ独立革命」「南北戦争」、そして「世界恐慌・第2次世界大戦」の3回の〝危機の時代〟です。レパード氏は、現代における「第4の節目」は2008年の金融危機(リーマンショック)から始まったと考えており、今回の危機の核心は「お金とは何か」という根源的な問いであると述べています。

彼は、「法定通貨(fiat money)」という実験が50年以上を経て限界に達した今、この危機の時代を乗り越えた先には、人々がインフレの苦しみから逃れるために「健全な貨幣(sound money)」を求めるようになり、最終的に金(ゴールド)やビットコインを基盤とした新たな金融システムが生まれると予測しています。

*補足:2人の共著『The Fourth Turning』は、1997に出版されました。日本語訳『フォース・ターニング』(ビジネス社)は、2017年に出版されています。