KITCO NEWSチャンネルのPorter Stansberry(ポーター・スタンズベリー)氏へのインタビュー動画「The Great Inversion: Why Central Banks Are Dumping U.S. Debt for Gold」のAI分析です。

Porter and Co.の創設者であるポーター・スタンズベリー氏は、米国経済と世界の金融システムが歴史的な転換点「グレート・インバージョン(大いなる逆転)」に直面していると警鐘を鳴らしています。彼の主張は、米国債への信認が失われ、資金が金(ゴールド)などの実物資産へと逃避しているという分析を軸に展開しています。

動画再生回数は、1日で3万回以上。(画像は、ポーター・スタンズベリー氏のスクリーンショット)

分析概要

米国経済の脆弱性と「グレート・インバージョン」

スタンズベリー氏は、米国経済の現状を「厄介な状況」(A troubling picture of the US economy is emerging)と描写します。消費者は記録的な18兆ドルの負債を抱え、延滞率は15年ぶりの高水準に達しています。第2四半期の経済成長率は3.3%と予想を上回ったものの、個人消費の減速や弱い投資など、その内実には亀裂が見られます。

通常、このような経済的ストレスは安全資産である米国債への資金逃避を引き起こすはずですが、現実は逆の現象が起きています。長期国債の入札は不調で、海外の主要な債権国の需要は衰退 (waning) しています。その一方で、資金は真の価値貯蔵手段として機能している金(ゴールド)へと向かっています。

スタンズベリー氏によれば、これは世界の中央銀行が準備資産としての米国債を減らし、金を増やすという「グレート・インバージョン」が、もはや理論ではなく数学的な現実となっていることを示しています。

この背景には、米国の財政が事実上破綻しているという認識が世界の債権国の間で広がっていることがあると指摘しています。

国内に潜む時限爆弾:社会保障制度と企業の変質

スタンズベリー氏は、米国内にさらに深刻な問題が存在すると主張します。
  • 社会保障制度の破綻: 彼は、社会保障信託基金というものは存在せず、国民から集めた資金は一般会計で既に使われてしまった「嘘」だと断言します。この制度は本質的にポンジ・スキーム(ねずみ講)であり、今後4年から6年以内に破綻すると予測しています。特に、インフレに連動して給付額が自動的に増える法律(COLA)が、この問題を制御不能なレベルにまで悪化させていると警告しています。
  • 企業の「社会主義化」: 2020年のBLM(ブラック・ライブズ・マター)運動などをきっかけに、政治活動家が企業の役員会を乗っ取り、利益追求よりも政治的イデオロギーを優先する「役員会の社会主義」が蔓延していると批判します。クラッカー・バレルやディズニーなどの例を挙げ、企業が本来の顧客層を無視した結果、大規模な企業価値の破壊が起きていると指摘しています。

高インフレ再燃と投資戦略

スタンズベリー氏は、FRBの金融政策は時期尚早な利下げに向かっており、次のインフレの波は20%を超える可能性があると予測しています。このような不確実な環境を乗り切るための投資戦略として、以下を挙げています。
  • 金と実物資産: ドル崩壊へのヘッジとして、金や金鉱株(特に経営の優れたアグニコ・イーグル)、そして木材のような実物資産の保有を推奨しています。 優良企業への投資:インフレに対する最良のヘッジは、ハーシーやコカ・コーラのような、何があっても消費され続ける製品を持つ「素晴らしいビジネス」を、PERが15倍程度の妥当な価格で買うことだと述べています。
  • テクノロジー株: NVIDIAは次世代技術の支配的企業であるとしつつも、PERが30倍を下回るなど、購入価格には規律を持つべきだと助言します。
  • 保険会社: 債券の代替として、W. R. バークレーのような優れた損害保険会社を挙げています。彼らは債券ポートフォリオのデュレーションリスクを専門的に管理してくれるため、個人投資家が直接債券を持つより優れていると主張します。

最終的にスタンズベリー氏は、投資を過度に複雑にする必要はないと説きます。優れた企業を十数社リストアップし、市場が悲観的になった時に規律を持って購入するという、シンプルかつ忍耐強いアプローチこそが、この困難な時代を乗り切る鍵だと結論付けています。