金融経済系チャンネル「Eurodollar University」の最新動画の要点を以下にまとめました。
(動画再生回数は、1日で2万回以上)
Eurodollar Universityの動画「The Hidden Risk in Japan That Could Collapse Global Economies」をAI分析しました。(写真:みずほ銀行本店)
この動画は、日本の大手金融機関が行う「キャリー取引」が、世界金融システムの中でいかに重要な役割を担っているか、そしてその巻き戻しが世界経済に深刻な影響を与える「ダモクレスの剣(Sword of Damocles)」として存在し続けていることを論じています。動画は2024年夏の金融市場の混乱と2025年夏の状況を比較し、日本の大手金融機関の動向こそが、今後の世界的な金融危機を読み解く鍵であると主張しています。
分析概要
真の「キャリー取引」とその影響力
動画が指摘するキャリー取引は、一般的に知られる「円を借りて高金利通貨で運用する」という単純なものではありません。ここで問題にしているのは、日本の巨大金融機関が、自己の豊富な円資金を担保にドルを調達し、そのドルを世界中の様々な資産に再投資するという、より大規模でシステミックに重要な信用創造の仕組みです。この活動は、ユーロダラー市場を通じて世界中に信用を再分配する、いわばグローバル金融システムの心臓部の一つとなっています。2024年夏の教訓と2025年の変化
2024年夏、日本の大手金融機関はFRBのパウエル議長が米国経済を「強く強靭」と評価したことを信じ、高利回りを求めてCLO(ローン担保証券)などのリスクの高い社債への投資を拡大していました。しかし、2024年7月の米国雇用統計が悪化したことで経済への懸念が急浮上し、「リスク調整後のリターン」がマイナスに転じました。その結果、彼らはパニック的にリスク資産を売却し、これが世界的な株価の暴落(VaRショック)*を引き起こす一因となったのです。
2025年夏は、マクロ経済の状況が昨年以上に悪化しているにもかかわらず、同様のパニックは発生していません。その最大の理由は、日本の大手金融機関が2024年の経験と2025年4月のデフレ的混乱を経て、FRB当局者の楽観的な見解を鵜呑みにすることをやめたからです。彼らはこの1年をかけて、保有するリスク資産を売却したり、金利スワップなどでヘッジしたりするなど、事前にリスクを軽減する対策(ディリスキング)を進めてきました。(動画では、みずほ銀行の例が挙げられています)
*VaR:(Value at Risk)リスク分析の手法の一つ。現有資産の損失可能性を時価推移より測定する分析指標依然として残るリスクと監視すべき指標
しかし「日本が完全に安全圏に入ったわけではない」と警告します。リスクは軽減されたものの、依然として相当な規模のエクスポージャーを抱えており、今後さらなる経済ショックが起きた場合、資産の強制的な売却などを通じて、世界的な金融混乱の大きな引き金となり得ます。 この隠れたリスクの兆候を監視する上で重要な指標が、日本円(JPY)と日本国債(JGB)です。JPY(円相場):
本来、日本経済の弱さを考えれば円安が進むはずですが、円相場は横ばいで推移しています。これは、世界経済、特に米国経済へのリスク回避感から日本の大手金融機関が海外資産への投資を手控えている(キャリー取引の巻き戻し圧力)ことが、国内の円安要因を相殺しているためだと分析しています。JGB(日本国債):
日銀が利上げを示唆しているにもかかわらず、「10年国債」等の長期金利が安定して推移しているのも同様の理由です。世界経済へのリスク回避感が、国内の金利上昇圧力を抑え込んでいるのです。結論として、日本の大手金融機関はFRBの間違いを確信し、すでに対策を講じています。しかし、その対策が十分かどうかはまだ不透明です。円相場と日本国債利回りが示す静かな緊張状態は、水面下で燻るリスクの存在を示唆しており、今後の世界経済の動向を占う上で、この「日本発のリスク」を引き続き注視する必要がある、というのが本動画の核心的なメッセージです。