金融経済系チャンネル「GoldSilver」のMike Maloney(マイク・マロニー)氏とAlan Hibbard(アラン・ヒバード)氏による対談の要点を以下にまとめました。
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YouTube動画「Swiss Gold Under Fire: Tariffs Spark Record Market Action - Mike Maloney & Alan Hibbard」の分析です。(画像はスクリーンショット)
このGoldSilverチャンネルの動画では、ホストのマイク・マロニーとアラン・ヒバードが、米国がスイスから輸入される特定のgold地金に39%の関税を課した問題について議論しています。彼らは、この出来事がgold市場と世界経済に与える深刻な影響を分析し、来るべき金融危機への警鐘を鳴らしています。
(上のアイコンにリンク先動画)
分析概要
米国によるスイス産gold地金への関税賦課
米国政府は、スイスから輸入される1キログラムおよび100オンスのgold地金に対し、39%という高率の関税を課すことを発表しました。この決定は、世界のgold精錬ハブであるスイスを標的にしたものであり、世界の地金取引を混乱させる可能性があると指摘されています。gold市場への直接的な影響
このニュースを受け、goldの先物価格は一時1オンスあたり3500ドルを突破し、史上最高値を記録しました。これにより、過去12カ月の上昇率は43%に達し、S&P 500のリターンを大きく上回りました。また、通常はほぼ連動しているgoldの先物価格と現物価格の間に、100ドルを超える前例のない乖離(かいり)が生じており、市場の異常な状況を示しています。米国のgold輸入におけるスイスの重要性
分析によると、米国が輸入するgoldの約46%はスイスからのものであり、スイスは極めて重要な供給元です。特に2025年の初頭には、米国へのgoldの輸入量が急増しており、1月にはスイスからの輸入が全体の59%を占める月もありました。マイクは、この大量輸入は、トランプ大統領が言及したフォートノックス基地の地下金庫(vault)査察に関連し、リースされていたgoldを戻し、備蓄を補充する動きだったのではないかと推測しています。これは、米国が新しい金融システムに備えている兆候かもしれないと彼は見ています。世界金融危機への懸念
マイクは、この関税問題が単なる貿易摩擦ではなく、金融システムの根幹を揺るがす危険な引き金になりうると強く警告しています。彼は、現在の世界経済が過去のバブルを遥かに超える「すべてがバブル(everything bubble)」の状態にあり、非常に脆弱であると指摘します。このような状況で、シャドーバンキングのレバレッジなどに影響を与える金融商品(gold)に直接的な揺さぶりをかけることは、2008年の世界金融危機のような、あるいはそれ以上の大惨事を引き起こす可能性があると懸念を示しています。米政権の政策決定は予測不可能で危険
今回の関税は、トランプ大統領の気まぐれで一貫性のない政策決定の一環であり、議会の議論を経ずに大統領令が乱発される現状は極めて危険だと批判されています。後にホワイトハウスが「誤情報を明確にする」と発表したことで、関税が撤回される可能性も浮上しましたが 、この一連の騒動自体が市場に大きな混乱をもたらしています。gold・silverの保有が唯一の防衛策
両者は、この不安定な状況下で起こりうることは、goldそのものの価値が変わることではなく、自国通貨(米ドル)の価値が切り下げられること(devaluation)だと主張します。そして、もし世界的な金融危機が発生した場合、goldやsilverといった現物資産を保有していない人々が最も大きな損害を被り、逆に保有している人々は多大な利益を得るだろうと結論付けています。総じて、米国の一つの関税政策をきっかけに、現在の世界経済がいかに脆弱な基盤の上に成り立っているかを浮き彫りにし、個人投資家に対して現物資産(gold・silver)による防衛の重要性を強く訴える内容となっています。