金融・経済系ポッドキャスト「David Lin」チャンネルが市場アナリストLyn Alden(リン・オールデン)氏にインタビューしました。要点を以下にまとめました。
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YouTube動画「Will Economy Survive New Tariffs? What's Next For Markets, Jobs」の分析です。(写真は、動画のスクリーンショット)

(上のアイコンにリンク先動画)

分析概要

Lyn Alden氏へのインタビューでは、現在の経済状況、投資戦略、そして関税、ビットコイン、金融政策といった主要なテーマについて、彼女の詳細な分析が述べられました。

全体的な経済見通し

停滞(Malaise)の中での選別:

Alden氏は、現在の経済を破滅的な不況(Doom and Gloom)と見るのではなく、むしろ「停滞(Malaise)」またはレンジ相場にあると捉えています。 彼女の投資アプローチは、経済全体を一括りに評価するのではなく、セクターや産業ごとに景気後退に陥っているか、またそれが株価に織り込まれているかを個別に分析することに重点を置いています。 2025年に入り、米国経済と株式市場全体に対する懸念を強めているものの、依然として構造的な財政赤字が多くの産業にとって刺激策となっている状況も指摘しています。

投資戦略

Alden氏の投資戦略は、以下の3つの柱で構成されています。

優良株式(High-Quality Equities):

米国およびグローバルな優良株を保有します。特に、長らく米国株に対してアンダーパフォームしてきたラテンアメリカ株の転換点に関心を示しています。 米国内では、関税や景気循環の影響を受けにくいサービスセクターや、割安感のある金融セクターを選好しています。

ハードマネー(Hard Money):

ビットコインと貴金属がこの柱の中心です。特にビットコインについては、まだ16年目の若い資産であり、その市場規模を拡大している成長段階にあるとして、金よりも高いリターンを期待し優先しています。 金も長期的には強気ですが、短期的には調整局面にあると見ています。

現金同等物(Cash Equivalents):

市場の混乱時に備えたボラティリティ対策と、下落局面での再投資(リバランス)のために少量を保有します。長期債については、依然として魅力的ではないとの見方を維持しています。

財政支配、関税、エネルギー

財政支配(Fiscal Dominance):

Alden氏の分析の根幹をなすのが「財政支配」という概念です。米国は巨額の財政赤字が構造化しており、金融政策の効果が変質していると指摘します。 この環境下では、利上げがインフレ抑制よりも政府の利払い負担を増大させ、結果的に財政赤字を拡大させるという逆効果を生むことがあります。 このパラダイムシフトが、従来見られた実質金利と金・ビットコイン価格との逆相関を崩壊させたと分析しています。

関税の影響:

市場が織り込んでいる以上にリスクがあると警告しています。関税コストは主に米国の消費者と企業が負担しており、輸入業者の在庫によって影響が一時的に緩衝されていますが、今後は消費者物価への波及が懸念されます。 経済全体を崩壊させるものではないものの、継続的な足かせになると見ています。

エネルギーとAI:

AIデータセンターの爆発的な電力需要増が、天然ガスや電力関連部品の需要を構造的に押し上げ、長期的には原子力への需要も牽引すると予測しています。 エネルギーセクターへの投資としては、原油そのものよりも、低PERで株主還元に積極的な生産企業の株式を好みます。

ビットコインへの強気な見通し

Alden氏は、ビットコインに対して非常に強気な見方を維持しています。 彼女の有名なプレゼンテーションタイトル「Nothing Stops This Train」は、止まることのない米国の財政赤字拡大を指しており、この「財政支配」の環境下で、ビットコインのような希少性のある資産が最も恩恵を受けると考えています。 現在の強気サイクルはまだ終わっておらず、さらに上昇の余地があると見ています。